さようなら・・・レールバス
南部縦貫鉄道 '97.5



南部縦貫鉄道の歴史

南部縦貫鉄道は、当時政府によって進められていた東北開発プロジェクトむつ製鉄向けの砂鉄輸送を目的に昭和37年に開業しました。
貨物輸送が主で最初から旅客輸送はさほど重要視されていなかったのか、旅客車は小型のレールバス2両が用意されただけでした。それが最後まで残ったキハ101とキハ102です。
当初、国鉄線とは旧千曳駅(後の西千曳駅)で接続していましたが、昭和43年の改良により東北本線は東側にルートが変更され、旧ルートが廃止されることになったため、野辺地−千曳間の東北本線を無償貸与をうけ延伸する形となりました。
順調な経営が見込まれた南部縦貫鉄道ですが、なんと政府は計画の中止を決定したため砂鉄輸送は早々に頓挫し、主たる収入源を失い厳しい経営を余儀なくされます。こうなると頼みの綱は旅客輸送となりますが、年々普及する自動車に押され早々に苦戦を強いられました。
それでも経営陣の努力により運行が続けられていました。昭和50年代に開通予定だった東北新幹線七戸駅が南部縦貫鉄道七戸駅付近に予定されていたので、新幹線アクセス輸送に活路を見いだそうと考えていたのです。
しかし、東北新幹線の開業は盛岡までの暫定開業となり、青森延伸は一時凍結となってしまいました。頼みの綱を失った南部縦貫鉄道ですが、いつしか凍結も解除されることを期待し、細々と経営が続けられていました。
幾多の苦難を乗り越え守ってきた鉄道ですが、国鉄清算事業団より旧東北本線敷地の買い取り、もしくは返還をせまられ、ついに平成9年3月末をもって廃止と決定が下されました。
いったん3月末をもってと発表されましたが、諸々の事情により5月5日をもって廃止、と変更になり、そして直前になって廃止ではなく休止へと変更になりました。その理由は定かではありませんが、多くのファンは復活への期待を膨らませました。
復活のための方策が数々検討されたようですが、その願いは叶わず平成14年8月1日をもって廃止の手続きが取られました。
線路は廃止となったものの会社は存続しており、七戸駅は構内を含めて当時の車両がすべて保存され、現在でも一般公開されるときもあります。



 

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